レトルトパウチについて
宇宙食として開発されたレトルトパウチは食品をパウチへ充填・密封した後熱湯殺菌よりも高い120℃の高温加熱水で殺菌します。ボツリヌス菌の胞子を殺菌するにはこの120℃で約30分間の加熱が必要です。その後破裂しないよう加圧しながら冷却するため、レトルト用のパウチは耐高温、耐圧だけでなくガス遮断性も要求されます。菌や微生物だけでなく、酸化も品質を低下させる要因です。酸化を防止するためには、①空気を抜くことで酸素量を減らす、②チャンバーと呼ばれる密封室で減圧しながら真空包装にし酸素を完全除去する、③真空にした後窒素や二酸化炭素を注入する(ガス置換包装)、④袋中に窒素ガスを吹き付けることで空気と交換する(ガスフラッシュ包装)、⑤還元鉄などの酸素を吸収させるものや、ビタミンCなどの酸素吸収および二酸化炭素発生させるものなど脱酸素剤を一緒に封入するなど内容物に合わせた方法が選ばれます。